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ハナコ短信

2026年3月21日

春 愁

春分の日の頃になると、木々が芽吹いて、花が咲き、世界が明るくなって、人の心もどこか華やかに浮き立ちます。一方、春のもの悲しさや淡い憂いを表わす「春愁」という季語があります。
日が永くなって春の光に包まれていても、それに不似合いな冷たい風に身をかがめて歩く時、春が何処か遠くの出来事のように思えます。春の傍らにいて春を享受できない人は少なくありません。

春愁には自律神経の乱れが影響しているかも知れません。春先は天候の変動が大きく、気温も気圧も目まぐるしく変わります。身体の機能を調節する自律神経が環境の変化に追いつかなくなって自律神経症状が出現します。
全身倦怠感、頭痛、頭重、めまい、動悸、息苦しさ、冷え、発汗異常、食欲不振など症状は多岐にわたります。これらの身体不調を軽い抑うつ状態と感じることもあります。

「はなやかなる春は、かしら重く、まなこ濁りて心うし」(芭蕉翁終焉記)
これは松尾芭蕉の弟子の其角(きかく)が記した、師の追悼文の冒頭の一節です。心身の衰えた晩年の様子に加えて、芭蕉にも春愁や自律神経症状があったことを窺い知ることができます。
春の憂いを観じてこそ、優れて春を詠めたのかも知れません。

心身の不調や憂いが春愁だとすれば、花が散って、ゆく春を眺める頃には自律神経も落ち着き、思い悩みも晴れて、新緑の美しさを享受できるでしょう。

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